障害者雇用の第一歩
「ジョブコーチがお手伝いします」
社会福祉法人横浜やまびこの里
社会福祉法人横浜やまびこの里 東やまた工房 西尾紀子
仲町台発達障害センター 西尾保揚
045-943-9220

★社会福祉法人横浜やまびこの里
 横浜やまびこの里は、横浜市自閉症児・者親の会が母体となり1989年に設立された社会福祉法人です。
 通所更正施設「東やまた工房」を中核に、24時間のトータルケアを行う住居施設「東やまたレジデンス」、さらに「地域作業所」や「グループホーム」等を運営するとともに、自閉商社の社会的な自立を支援するため、就労援助事業を積極的に展開しています。

★ジョブコーチとは
 生涯のある人と企業が円滑な関係を保てるよう始めた、新しい就労援助サービスです。横浜やまびこの里では、このジョブコーチ付きの就労援助を全国に先駆けてすすめてきました。
 ジョブコーチの仕事は多様です。まず障害のある人にあった仕事をみつけ、組み立て、提案すること。「なんでもいいから働かせて下さい」という企業へのお願いではなく、「この人はこういうことが出来ます」と具体的な提案を行います。

 そのためにジョブコーチは1週間程度の実習をおこない、ジョブコーチ自身が働いて仕事を覚えます。どのような仕事があるのか、仕事量の期待値はどの程度か、どのような社内環境なのか、障害のある人が働きやすくなるためのアイデアなどの情報を実習中に蓄えます。

 企業側へ提案した後に、ジョブコーチが付き添って障害のある人がその会社で実習を行います。実習は長い場合3ケ月ほどおこなうこともあります。簡単なもの作りや簡易作業・・・・・・・。自閉症や知的障害の方たちの職種は限られてしまう傾向があります。最近は企業でも、複数の業務に従事できること、業務の配置転換がスムーズに出来ること、多様な技術を習得できること等が必要とされます。

 障害者の就労もそのような状況に適応していかないと就労参加する市場は先細りすることは目に見えています。
私たちの知的障害者の皆さんは、物流センターでの伝票処理業務・パソコンへの商品数量の打ち込み・生鮮物のパッキング・店舗内での商品陳列等参加場面は多様です。
 このようにジョブコーチは多様な職種の中から従事可能な仕事を開拓することも大きな役割です。

★ジョブコーチ付きの就労援助の特徴
@「仕事と人材のマッチング」。
障害の特性を熟知したジョブコーチが、職場に伺って雇用に関する様々なご相談にお答えします。
A「職場実習」。
まず実習という形態で働くことを通して適正を検討します。ジョブコーチは実習中も職場に付き添いますので安心です。B「職場での指導・アドバイス」。
ジョブコーチが付き添って援助します。ジョブコーチが直接指導したり、従業員の方に助言するなどして、仕事の手順やルールがスムーズに身につくようにします。
C「長期のフォローアップ」。
ジョブコーチの援助に期限はありません。障害を持つ人が自立して働けるようになった後も、定期的に会社を訪問し、さまざまな問題にタイムリーに対応します。
D「制度や雇用管理に関する情報提供」。
障害者に雇用の助成金制度、雇用管理のノウハウ、その他さまざまな情報を提供します。
E「複数名就労にジョブコーチを常時派遣」。
障害者を複数名(3〜4名程度)雇用して頂く場合、ジョブコーチを常時職場に配置・派遣することも可能です。

★「ダスキン美しが丘」での取り組み
1999年の秋、緑法人会の会合へ参加させていただいた際、都筑区にあるダスキン美しが丘の小林社長から障害者雇用に関する相談がありました。
私たちジョブコーチは、最初に仕事を知るためジョブコーチによる1週間程度の職場実習を行いました。期待されている業務種目や内容をひろいあげ、回収された商品の仕分けと伝票記載、カートへの積み込みを障害者の人に従事してもらうことにしました。その際、障害者と会社側の双方にとって効果的な職場環境づくりを考え、例えば商品の格納方法、スペースの効果的な利用、小林社長、小林専務と相談しながら設定してきました。

2000年の3月からジョブコーチ付きによる数名の障害者実習をはじめています。倉庫内にて作業スペースをつくり、ある仕事を複数名でおこない業務の管理をジョブコーチがおこなっています。普通ならば、決まった仕事しかできない障害者も、ジョブコーチの関与により、複数の仕事ができるよう業務のコントロールができるようになっています。

ここダスキン美しが丘店でも日々の業務量や内容が変化する可能性があり、常時派遣されているジョブコーチはそこでの業務把握をよく理解しているため、事業所の皆さんに安心していただいています。また、社員の皆さんに、障害の人たちの理解を深めてもらうため障害特性や関わり方などを積極的に説明させてもらい、障害者と従業員の皆さんの橋渡しをおこなっています。このようなジョブコーチ付きによる複数名就労は他にもいくつかの場所で展開しています。

★最後に
 これからの社会は少子化や多様な価値判断の中で、障害者が社会に参加していく付加価値が少しずつクローズアップされていくことでしょう。障害者が身近にいることにより豊になる人間形成の機会として、また良質な労働者として認知されていくこと、これらはジョブコーチの存在が一つのキーワードになっていくと考えています。



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