前号で主な改正事項を掲載しましたが、今回は、その中でも減価償却に関する改正と今年度の決算から
適用される改正について説明したいと思います。
T 減価償却に関する改正
1 建物の償却方法の改正
建物の取得日
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償却方法
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改正前
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改正後
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平成10年3月31日以前
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定率法又は定額法
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定率法又は定額法
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平成10年4月1日以後
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定率法又は定額法
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定額法のみ
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(注) 取得日を基準に適用されますので、実際に使用を開始したのが平成10年4月1日(以下「適用日」
といいます。)以後であっても、取得が適用日前であり、建物の償却方法につき定率法を選択していれば
定率法で計算することができます。
2 建物の耐用年数の改正
建物の耐用年数がおおむね10%から20%程度短縮され、最長のものでも50年とされました。
例
建物の種類
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耐用年数
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改正前
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改正後
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鉄筋コンクリート造の事務所用建物
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65
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50
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ブロック造の事務所用建物
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50
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41
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木造の事務所用建物
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26
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24
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《適用》
平成10年4月1日以後に開始する事業年度から
10.4.1 10.6取得
旧耐用年数 改正耐用年数
9.7.1 10.7.1 11.7.1
耐用年数は、適用日以後に取得した資産であっても、右上図のような場合は従来の年数で計算するので、
注意してください。
また、既に減価償却している資産であっても適用日以後に開始する事業年度から改正耐用年数により減価
償却限度額を計算することとなります。(下表)
事業年度
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期首簿価
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耐用年数
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償却率
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償却限度額
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減価償却費
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期末簿価
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自 9. 7. 1
至10. 6.30
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10,000,000
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65
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0.035
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350,000
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350,000
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9,650,000
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自10. 7. 1
至11. 6.30
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9,650,000
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50
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0.045
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434,250
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434,250
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9,215,750
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3 簡便償却制度の廃止
事業年度の中途で、事業の用に供した機械等の償却限度額に認められていた初年度2分の1簡便償却制度
が廃止されました。
例
区分
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取得価額
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耐用年数
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償却率
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償却限度額
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改正前
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500,000
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5年
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0.365× 1/2
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92,250
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改正後
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500,000
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5年
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0.365× 1/2
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15,375
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決算日 6月30日
事業年度の月数 12月
事業の用に供した日 6月15日
《適用》
平成10年4月1日以後に開始する事業年度から
4 営業権の償却方法の改正
営業権の償却方法が任意償却から定額法(耐用年数5年)に改められました。
《適 用》平成10年4月1日以後に開始する事業年度から
5 少額減価償却資産の取得価額基準の引下げ
少額減価償却資産は、事業のために使用を開始した事業年度で消耗品として経費に計上したような場合、
その金額を損金の額に算入されます。
改正前は、取得価額が20万円未満の資産について適用されましたが、今回この基準が10万円未満に引下
げれれました。また、国外リース資産については、この制度の適用対象から除外されました。
《適 用》平成10年4月1日以後に開始する事業年度から
6 一括償却資産の損金算入制度の創設
減価償却資産で取得価額が20万円未満であるもの(国外リース資産に該当するもの及び上記5の適用を
受けるものを除きます。)を事業の用に供した場合において、その資産の全部又は特定の一部を一括した
もの(以下「一括償却資産」といいます。)の取得価額の合計額をその事業年度の以後の各事業年度の費
用の額又は損失の額とする方法を選定したときは、その一括償却資産につきこれらの事業年度において損
金の額に算入される金額は、その一括償却資産の取得価額の合計額(以下「一括償却対象額」といいます)
の全部又は一部につき損金経理をした金額のうち、次の算式により計算した金額に達するまでの金額とさ
れました。
一括償却対象額 ÷ 36 × 当該事業年度の月数
この制度は、一括償却資産を事業の用に供した日の属する事業年度の確定申告書等に一括償却対象額の
記載があり、かつ、その計算に関する書類を保存している場合に限り、適用されます。
例 事業年度 10.4.1〜11.3.31
取得日 取得価額 償却方法
Aパソコン 10.5.10 180,000 普通償却
Bパソコン 10.5.10 180,000 一括償却 450,000円(一括償却対象額)
Cエアコン 10.6.25 150,000 一括償却
Dワープロ 11.2.15 130,000 普通償却 ÷ 36 × 12 = 150,000円(一括償却限度額)
Eワープロ 11.3.10 120,000 一括償却
(注) 一括償却資産に選定した減価償却資産について滅失、除却等の事実が生じたとしても、税務上は
その事業年度の償却限度額内において損金算入されることとなります。つまり、個別に除却損を計
上して損金に算入することはできません。
《適 用》平成10年4月1日以後に開始する事業年度から
U 土地譲渡益重課制度の改正
区分
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制度の内容
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改正後
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一般土地譲渡益重課制度
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法人が、土地の譲渡等をした場合には、通常の法
人税とは別に、その譲渡による譲渡利益金額に対し
て5%の税率による法人税を追加課税します。(次
の短期又は超短期所有土地譲渡益重課の適用が
ある場合を除きます。)
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平成10年1月1日から
平成12年12月31日まで
の間にされた譲渡につい
ては、適用されません。
(3年間停止)
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短期所有土地譲渡益重課制度
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法人が、所有機関5年以下の土地の譲渡等をし
た場合には、通常の法人税とは別に、その譲渡
による譲渡利益金額に対して10%の税率による
法人税を追加課税します。(次の超短期所有土
地譲渡益重課の適用がある場合を除きます。)
所有機関とは、取得した日から譲渡した年の1月
1日までの期間をいいます。(以下同じ。)
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平成10年1月1日から
平成12年12月31日まで
の間にされた譲渡につい
ては、適用されません。
(3年間停止)
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超短期所有土地譲渡益重課制度
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法人が、所有期間10年以下の土地の譲渡等をした
場合には、通常の法人税とは別に、その譲渡による
譲渡利益金額に対して15%の税率による法人税を
追加課税します。
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平成10年1月1日以後
の譲渡については、益
用がありません。(廃止)
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【経過措置】
1 平成10年1月1日を含む事業年度である。
2 同日前及び同日以後に土地の譲渡等がある。
3 同日から事業年度終了の日までの間の土地譲渡利益金額の合計額が赤字である。
1〜3すべての要件を満たす場合には、同日前と同日以後の土地譲渡利益金額の合計額を損益通算することと
されました。次の図を参考にしてください。
期首 期末
+20 B 10.1.1 C +10
A -5 -10 D
平成10年1月1日前の土地譲渡利益金額の合計額 = A(+20) + B(-5) = +15
平成10年1月1日以後の土地譲渡利益金額の合計額 = C(-15) + D(+10) = -5
譲渡利益 = (+15) + (-5) = 10
〈注意〉
損益通算ができるのは、一般と一般、短期と短期又は超短期と超短期との間でしか行えません。
一般と短期、短期と超短期のように異なる所有期間の土地譲渡利益の間では、損益を通算すること
はできません。
V 新規取得土地等に係る負債利子の課税の特例の廃止
取得土地等が、新規取得土地等に該当するときは、法令の計算によるその土地の取得のための借入金等の負債利
子を取得の日から4年間損金不算入とし、その後の事業年度から4年で損金算入するという制度でしたが、平成10
年1月1日以後に取得する土地等から適用しないこととなりました。
なお、同日前に取得した土地等については、従来どおりの取り扱いとなりますが、同日において負債利子の損金
不算入期間が、未到来の場合には、その末日を平成9年12月31日とすることとされました。したがいまして、損金
不算入とされた負債利子相当額の損金算入は、平成9年12月31日を含む事業年度の翌事業年度からになります。
例
決算日 9.4.1 10.4.1 11.4.1 12.4.1 13.4.1 14.4.1
3月31日 損金不算入期間
12/48 12/48 12/48 12/48
9.7.1 9.12.31 損金算入期間
取得 損金不算入の末日
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取得日
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損金不算入期間の末日
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損金算入開始事業年度
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改正前
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平成9年7月1日
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平成13年6月30日
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自平成14年4月1日
至平成15年3月31日
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改正後
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平成9年7月1日
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平成9年12月31日
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自平成10年4月1日
至平成11年3月31日
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W 利子・配当等に係る所得税額の控除等の特例の廃止
利子・配当等の支払を受ける際に源泉徴収された所得税額で、法人税額から控除しきれなかった額は、4年経過後の
事業年度において還付するという特例制度は、適用年度が平成10年3月31日までの間に終了するとされました。
したがいまして、4月決算の法人からは、当年度分の利子・配当等の所得税額が法人税額から控除できなかった場合、
控除しきれなかった額は還付されます。
なお、平成10年3月31日までに終了した各事業年度において発生し繰越している所得税額については、従来どおり特
例の適用があります。
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